AdvertisementAdvertisement
EXHIBITIONS

田口愛子「35.6203198, 139.6745482」

2024.02.03 - 02.18

メインビジュアル

 KATSUYA SUSUKI GALLERYで、田口愛子による個展「35.6203198, 139.6745482」が開催されている。

 田口は1994年東京生まれ、2018年ロンドン芸術大学 ウィンブルドンカレッジオブアート ファインアート学科卒業。美術史で様々に描かれてきた人体の持つ曲線美にフォーカスし、新たな生命体として生み出したアイコン「ボディ」をGoogleマップ上に召喚し、無機質な地図空間のなかに独特な生命力と色気を感じさせる作品で注目を集める。美術史における裸婦画や裸婦像の伝統を継承しつつ、現代の美の探求に新たな視点を提供する作家だ。

 歴史を通じて美の傾向は変遷してきたが、人体そのものが美の対象であるという本質は現代においても変わらずに息づいている。とくにデジタルネイティブ世代は、スマートフォンやアプリを巧みに操り、顔や身体を修正することで理想の美を手軽に作り出すことが可能となった。田口は、このデジタル世代特有の美のとらえ方を取り入れ、人体画像のスキャナーによる解体やデジタル上でのコラージュなどの手法をもちいて、有機的な形態を変容させ、新しい生命体である「ボディ」を作品のアイコンとして作品を制作。

 田口は自身の作品のテーマを「その生命体が実際に存在しているとしたら」と掲げ、現実を象徴するグーグルストリートビューを背景に、通常は虚構の存在であるはずの「ボディ」にリアリティ感を与える。田口の作品は現実と虚構、デジタルとアナログの枠組みを超え、観客が行き来できるインタラクティブな作品となっている。

 本展では、田口は新たな試みとして一部をカラーで表現し、街で見つけた観葉植物や街路樹の写真をコラージュに活かしている。そして、ストリートアートのようにも見える表現手法で画面のなかに植物の影を投影し、街全体の緑化を表現している。これらの取り組みにより、田口の作品は新たな魅力と深みを持ったものとなっている。