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キース・ヘリング展 アートをストリートへ

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 六本木ヒルズ内にある森アーツセンターギャラリーで「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が開催されている。

 ヘリングはアメリカ北東部ペンシルベニア州生まれ。1980年代初頭にニューヨークの地下鉄駅構内で、使用されていない広告板を使ったサブウェイ・ドローイングと呼ばれるプロジェクトで脚光を浴びた。アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアとともにカルチャーシーンを牽引し、国際的に高い評価を受けている。日本を含む世界中での壁画制作やワークショップの開催、HIV・エイズ予防啓発運動や児童福祉活動を積極的に展開したことでも知られたが、90年にエイズによる合併症により31歳でこの世を去った。

 ヘリングは「アートはみんなのために」という信念のもと、日常にアートを拡散させることで、混沌とする社会への強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を子どもたちに託した。ヘリングが駆け抜けた31年間の生涯のうちアーティストとしての活動期間は10年程だが、残された作品に込められたメッセージはいまなお響き続ける。

 本展は、6メートルにおよぶ大型作品を含む約150点の作品を通してヘリングのアートを体感できる展覧会となっている。社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対して最後までアートで闘い続けたヘリングのアートを展覧することができる。