EXHIBITIONS

特別展 癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛―

2023.12.02 - 2024.02.04

展示風景より、長沢芦雪《菊花子犬図》(18世紀・江戸時代、個人蔵)

 山種美術館で、特別展「癒やしの日本美術 ―ほのぼの若冲・なごみの土牛―」が開催されている。

 日常が大きく揺らぎ、不安定な世界情勢が続くいま「マインドフルネス」、「ウェルビーイング」、「チル」といった心の動きを意識する言葉が時代のキーワードとなっている。その背景として「自分自身の内面と向き合い、心を癒やすことが求められている」ということがあるかもしれない。本展では、日本美術の鑑賞を通して心が癒やされるような体験を提供する。

 素朴でゆるやかな表情が魅力的な若冲《布袋図》や《伏見人形図》、可愛い子犬たちがじゃれ合う芦雪《菊花子犬図》など、ユーモアあふれる作品を展示。そのほか奥村土牛の《兎》や小出楢重の《子供立像》など、愛らしい動物や子どもを描いた作品などを展覧する。さらに、奥村土牛《浄心》のように、作品の制作自体が画家自身の心を癒やすことになった例も紹介する。