松田ハル 「不自由のオーバーワールド」

　COHJU contemporary artで、松田ハルによる個展 「不自由のオーバーワールド」が開催されている。

　松田ハルは1998年岩手県生まれ。2023年に京都芸術大学大学院修士課程芸術専攻グローバルゼミを修了。現在は東京を拠点に活動している。VRとシルクスクリーンや3Dプリンタなどを組み合わせた複製技術を用いた表現方法を軸に、仮想空間と現実世界の差異や二項対立の融解を試みる作品を平面、立体、映像、インスタレーションなど形態を問わずに発表し続けている。

　松田が大学院修了後初となる本展では、世界的に知名度の高いゲームのひとつである 「マインクラフト」のなかのひとつの概念である 「オーバーワールド」（プレイヤーが一番最初に降り立つ、構造物を建てたり活動していくうえで基本となるフィールドの名称）をキーワードに、現実と仮想の互換性 / 非互換性や、複製技術を駆使した自身の制作手法の自由さ / 不自由さのクロスオーバーに取り組む精力的な内容となっている。映像作品を含む新作6点ほどの発表を予定しており、気鋭の若手作家による展覧会となっている。