EXHIBITIONS

都築崇広展 「ああ、郊外」

ギャラリー桜林
2023.10.15 - 2024.01.14

上:都築崇広 構造用合板・国道50号・朝靄澄む 2023
下:都築崇広 構造用合板・遠郊外・夏浅し 2023

 ギャラリー桜林で、都築崇広による個展 「ああ、郊外」が開催されている。

 都築は1988年埼玉県生まれ。構造用合板を用いて作品を制作している。合板は丸太を桂剥きにし、貼り合わせた一般的な構造用合板(ラーチ)と、環境に配慮し木片を加工し見た目に特徴のあるOSB(オリエンテッド・ストランド・ボード)合板、木目や柄を再現し化粧シートを貼り合わせ天井やフローリングなど内装に使用されるプリント合板を使用している。OSB独自の散らばる木片模様を風に、桂剥きによって現れる木目の繰り返しを大和絵の雲・すやり霞に見立て、アクリル加工に使用されるUV印刷やレーザー加工を応用し、時には量販店のチラシをコラージュするなどして制作する。

 本展では、これまで規格製品による大量生産型の街と自然の関係を、制御・加工された自然物である合板に重ねてきた 「合板都市シリーズ」、その延⻑に 「郊外、その先へ」と続く遠郊外や里山の風景を表現するした作品を紹介する。 都築は、東京のアトリエからいくつもの川を超えても、電線、線路、道路と線が続く限り経済圏はどこまでも続くことを感じ、それと同時においしい空気と野山に癒される風景を構造用合板に重ねているという。

 新作のほか、「Tokyo Midtown Award 2021 優秀賞・オーディエンス賞」の《ニュー洛中洛外図》や、「VOCA展2023」(上野の森美術館)の出展作品《OSB·森·風》など都築の代表作もあわせて展示する。