100年前の未来：移動するモダニズム 1920－1930

神奈川県立近代美術館 葉山で 「葉山館20周年記念　100年前の未来：移動するモダニズム 1920－1930」が開催されている。

　本展では、葉山館の開館20周年を記念して、同館が館名に掲げる 「近代（モダン）」の文化が多様に展開した20世紀の20年代を再考する。1917年のロシア革命と1918年終結の第1次世界大戦により、国際的な移動と伝播の時代が到来し、スペイン風邪によるパンデミック後の世界で、芸術家たちは国境を越えて活動した。

　会場では、中村彝と鶴田吾郎が描いたエスペランティストの詩人ヴァシリー・エロシェンコの肖像を筆頭に、夭折画家・久米民十郎、土田麦僊や前田寛治、藤田嗣治などの滞欧・滞米作品、石本喜久治らが招来したドイツ新興美術、MAVOや三科など1923年の関東大震災とその復興を挟んで都会に展開した前衛諸派、シュルレアリスムの端緒から魯迅の木版画運動まで、大正から昭和へと移る100年前の世界が夢見た新しさの諸相を紹介している。なお、会期中に一部展示替えあり。