EXHIBITIONS

あざみ野コンテンポラリー vol.14 長谷川繁 1989ー

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 横浜市民ギャラリーあざみ野で、「あざみ野コンテンポラリー vol.14 長谷川繁 1989ー」が開催されている。

 本展は、美術という枠や社会的評価にとらわれず、様々なジャンルのアーティストによる表現活動に目を向けたシリーズ展 「あざみ野コンテンポラリー」の第14回として、約40年にわたって絵画を表現手段としてきたアーティスト・長谷川繁(1963〜)による個展となっている。

 長谷川は、1988年に愛知県立芸術大学大学院を修了後、1989年にヨーロッパに渡り、デュッセルドルフ芸術アカデミー(ドイツ)、ヤン・ディベッツ(Jan Dibbets / 1941〜)クラスで学んだ。1992年からは、アムステルダム(オランダ)中心地にあるビジュアル・アーティストのための国際的なレジデンス施設 「De Ateliers(デ・アトリエーズ)」に2年間在籍。長谷川はオランダについて、気候風土や国民性だけでなく、「絵画に対してドライな距離をとっている」と語る。この地からの刺激を受けた長谷川は、1996年に帰国し日本に拠点を移してからも、度々オランダに滞在しながら、絵を描き続けてきた。

 帰国後は、国内外で数々の展覧会に参加してきたが、2013年のグループ展を最後に作品の発表を休止。その後2019年、約10年ぶりとなった個展開催を皮切りに、長谷川のキャンバス上の実験的試みとしての絵画が、再び観客の前に提示されることとなる。

 本展では、1989〜92年までのドイツ滞在中に描いた連作をはじめ、オランダ滞在期の大型作品など、そのほとんどが未発表の作品群を中心に、2000年代以降の作品に加え、近年の内側から発光するような色使いとこれまでの経験から裏打ちされた画面構成、そして即興ともいえる自在なモチーフの組み合わせが結実した、今日までの仕事の一端を展示している。