EXHIBITIONS

三野新 「外が静かになるまで」

メインビジュアル 写真:三野新 デザイン:石塚俊

 十和田市現代美術館 サテライト会場 「space」で、三野新による個展 「外が静かになるまで」が開催されている。

 演劇と写真という異なる分野を学び、舞台作家、写真家として活動してきた三野は、これまで土地や風景に眠る歴史・記憶をもとに戯曲を書き、さらにそれをパフォーマンスやインスタレーションというかたちで 「上演」するという領域横断的な表現を行なってきた。

 三野は以前から日本に駐留する米軍の存在へと関心を寄せ、 「沖縄」を題材とした作品も発表してきた。本展では、同じく米軍基地を擁する青森県三沢市でのリサーチから書き下ろした新作の戯曲 「外が静かになるまで」を発表する。前作 「クバへ / クバから」は、東京に住むアーティストがいかに 「沖縄」に向き合うことができるのかという 「当事者 / 非当事者性」という問題系を探るもので、昨年度ニューヨークでの半年間の滞在を経た三野が今回取り組むのは、よりマクロな視点から 「戦争の気配を感じながら生きる私たち」へと向けた作品となる。

 本展は、spaceでのインスタレーションと、十和田の街中を会場にした複数のインタレーションで構成。1本の戯曲が複数のインスタレーションとして街に配され、それらを読み集めていくことでひとつの作品として体験することのできる実験的な展覧会となっている。