EXHIBITIONS

イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル

2023.09.20 - 12.11

カクテル・ドレス―ピート・モンドリアンへのオマージュ 1965年秋冬オートクチュールコレクション 
© Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger

初来日時のイヴ・サンローラン、1963年4月 
© Droits réservés

女王のドレス(第1幕) 1978年に行われた演劇『双頭の鷲』のジュヌヴィエーヴ・パージュのためのデザイン 
© Yves Saint Laurent © Sophie Carre

 国立新美術館で「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が開催されている。

 イヴ・サンローランはクリスチャン・ディオールの急死をうけ、1958年にディオールのデザイナーとして鮮烈なデビューを飾る。62年に自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表し、それ以来2002年の引退まで約半世紀にわたって世界のファッションシーンをリードしていった。サンローランの代名詞的存在と言えるタキシードやジャンプスーツ、サファリ・ルック、トレンチコートは紳士服からヒントを得てデザインされており、サンローランは衣服が持つジェンダーのイメージを超越したデザインで、時代が求める新たな女性らしさ、エレガンスを生み出していった。ほかにも、モンドリアン・ルックに代表されるような美術作品とファッションの融合や、演劇、バレエといった舞台芸術や映画の衣装制作など様々な芸術分野との協働にも積極的に取り組んでいた。

 本展はイヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て、没後日本で初めて開催される大回顧展となる。58年のディオールでのデビューから、引退する2002年まで40数年あまりのあいだに発表された作品の変遷を網羅したオートクチュールのルック110体を展示する。日本初公開のドレスも紹介。そのほかドローイング、写真、映像など262点にもおよぶ貴重な資料が一堂に展覧される。サンローランのデザイナーとしての人生とその創造の全貌に迫る展覧会となっている。