EXHIBITIONS
特別展示 「アヴェス・ヤポニカエ〈9〉 ― 表現のダイヴァーシティ」
インターメディアテク3階収蔵展示室「STUDIOLO(ストレージ)」で、開館十周年記念事業の一環として特別展示 「アヴェス・ヤポニカエ〈9〉 ― 表現のダイヴァーシティ」が開催されている。
河辺華挙の描いた「鳥類写生図」は日本画の手本となる参考資料、粉本である。この巻物には様々な鳥の詳細なスケッチが収められ、いわば「紙に描いた標本」ともいえる。そのタッチは極めてリアリスティックなものであり、鳥の羽毛一枚、脚の鱗一つまでが描かれている。各部の色や羽毛の枚数を指定した絵もある。いっぽう、そのリアルな描画は、普段目にする定型的な日本画とは異なっており、画家たちは精密な描写からステレオタイプな花鳥画まで、非常に大きな幅を持った表現を行なっていたことを意味する。
今回は「鳥類写生図第二巻」を紐解き、リアルなスケッチから図案化された日本画までが一巻に収められた様子を展示する。さらに、同巻に収められた山本正幸(暉山)の描いた鳥に至ってはまったく画風が違い、より漫画的でさえある。対象のどこをどう省略し、強調し、デフォルメして「絵」として完成させるか、その過程も画家の技量と言える。そこには時代や地域を超えたデフォルメの共通性といったものも感じられる。また、それは人間が外界をどのように見ているかを、改めて教えてくれるものでもあるだろう。
河辺華挙の描いた「鳥類写生図」は日本画の手本となる参考資料、粉本である。この巻物には様々な鳥の詳細なスケッチが収められ、いわば「紙に描いた標本」ともいえる。そのタッチは極めてリアリスティックなものであり、鳥の羽毛一枚、脚の鱗一つまでが描かれている。各部の色や羽毛の枚数を指定した絵もある。いっぽう、そのリアルな描画は、普段目にする定型的な日本画とは異なっており、画家たちは精密な描写からステレオタイプな花鳥画まで、非常に大きな幅を持った表現を行なっていたことを意味する。
今回は「鳥類写生図第二巻」を紐解き、リアルなスケッチから図案化された日本画までが一巻に収められた様子を展示する。さらに、同巻に収められた山本正幸(暉山)の描いた鳥に至ってはまったく画風が違い、より漫画的でさえある。対象のどこをどう省略し、強調し、デフォルメして「絵」として完成させるか、その過程も画家の技量と言える。そこには時代や地域を超えたデフォルメの共通性といったものも感じられる。また、それは人間が外界をどのように見ているかを、改めて教えてくれるものでもあるだろう。