EXHIBITIONS

高松市美術館開館 35周年記念特別展 「上田薫展」

上田薫 あわ D 1979

 高松市美術館開館で、35周年記念特別展 「上田薫展」が開催されている。

 上田薫は、1928年東京に生まれ1954年東京藝術大学を卒業後、抽象画家としてキャリアをスタートさせた。その後グラフィックデザイナーとして活躍した上田は、1960年代に再び絵画制作に取り組み、70年代には写真を使って対象を精巧に描き出す独自の写実表現を確立した。生玉子やゼリーなど身近なモチーフの瞬間をとらえた写真をもとにして精巧に描き出すその手法は、情報技術が進み写真や映像の表現が進化し続けている現代においても、新しい視点を提供し、観客の目を楽しませている。

 本展では、モチーフを拡大し超写実的に描いた油彩画に加え、大学時代に描いたデッサンや初期の抽象絵画も展示する。今年に入って描かれた最新作も紹介し、スーパーリアリズムからは離れながらも多彩な表現を続ける上田の描くことへの飽くなき探求心と挑戦を感じられるだろう。