超絶技巧と写実の世界。
工芸の魅力に迫る、
「驚きの明治工藝」開催!

写実を追求し、技巧を凝らした明治工芸の展覧会が、川越市立美術館で開催される。会期は2017年4月22日〜6月11日。

宗義 自在蛇

 徳川幕府の安定した政権のもと、飛躍的に発展した日本工芸の技術。本展では、明治工芸を中心に、その礎となった江戸時代後期から、明治時代の影響が残る昭和初期までの作品を紹介する。

 江戸時代には、工芸の諸分野で新たな技術が開発され、職人たちの技が光る作品が生み出されてきた。例えば鍛金による自在置物。くねくねとうねるかたちから、とぐろを巻いた状態まで、自由自在に動かすことができる蛇などは、甲冑職人によって製作された。しかし、現在まで伝わる作品の数は多くはない。というのも、明治時代になると、こうした作品は、主に輸出を目的として制作されるようになるからである。今回、自在置物は20点以上が出品されるが、これほど多種多様な作品が集結するのは、初めてのことだ。

宮川香山 色絵金彩鴛鴦置物

 明治時代には、江戸時代にはなかった「公開」、つまり、国内外の博覧会に出品するという目的が生まれる。そのため、工芸の分野ではより高度な芸術性、精密性が求められるようになった。たとえばビロード友禅では、非常に困難な技術を用いて、絵画のような遠近感のある織物が生み出されている。

 本展に出品されている作品はすべて、宋培安(そんぺいあん)という台湾の一人のコレクターによるものだ。

宮本理三郎 葉上蛙

 海外の博覧会で絶賛される、華麗で繊細な作品の数々を見ることができると同時に、日本工芸の魅力にも気づかせてくれる展示となっている。

編集部

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