EXHIBITIONS

画廊からの発言 新世代への視点 2023 東尾文華展 ―爛々―

綻ぶまま彼方へ 2023 水性木版、土佐信風 灰煮 薄口

 ギャルリー東京ユマニテで、「画廊からの発言 新世代への視点 2023 東尾文華展 ―爛々―」が開催される。

「画廊からの発言 新世代への視点 2023」は、銀座・京橋を中心とした7画廊が各々に推薦する新鋭作家の個展を同時開催する企画。1993年に始まり今回で24回目となる。

 東尾は1997年生まれ。日本大学芸術学部にて版画を専攻し、現在、同大学大学院芸術学研究科博士後期課程芸術専攻に在籍している。2020年に第45回全国大学版画展にて町田市立国際版画美術館賞を受賞、22年には日本大学芸術学部湯川制賞を受賞した。

 東尾は女性を主なモチーフとして、木版や銅版との併用技法で制作を行っている。水性木版ならではの柔らかな風合いで女性の肌の温もりや優しさとともに、銅版のくっきりとした線による繊細な描画によってうちに秘めた複雑な感情をも描き出し、背景や衣類、絡み合う髪の毛などに見られる有機的な模様を心象を映すように画面に溶け込ませる。わずかな色味の違いやぼかし、瑞々しく豊かな色の摺り重ねも、女性たちの姿をよりいっそう強調させる。

 本展では新作の幅3メートルを超える大作を中心に、約10点の作品を発表する。