マーク ナグツァーム / 澤田 育久「OTHERS」

　The Whiteで、マーク・ナグツァームと澤田育久による展覧会「OTHERS」が開催されている。

　ナグツァーム（1968〜）はホーフプラート・オランダを拠点に活動。パターンや反復というひとつの主要な主題に基づいた作品群を、線、グリッド、円、単語や文章を使って制作している。

　澤田（1970〜）は写真家金村修ワークショップに参加し、2014年よりオルタナティブ・スペース「The White」を主宰。澤田はカメラが持つ記録性や機械性を利用して、日常的な視覚で認識されていない、新たなものの見方を発見する作品を制作している。

　本展は『c-site.3 : 他者の言語』（2021、ori.studio出版）を起点に構想されたプロジェクトのひとつである。プロジェクトは3つの地域で行われる展覧会と、プロジェクト全体を本の形式で再現したアートブックで構成されている。展覧会会場についてThe White（東京）のほか、FRED & FERRY（アントワープ、2023年9月）、2024年に北京(日程と会場は調整中)で開催予定。

　本展覧会のテーマは、作品を通じたコミュニケーションと、それに伴う作品の拡張だ。各々の展覧会は、最初にそれぞれの都市を拠点とする作家に他方の作家が作品を送り、受け取った作家はそれを解釈して会場構成を提案する。その後、そのプランを全員で共有し、作品の追加や会場の更新など各々の反応を取り込みながらインタラクティブに展示空間を組み立てていく。