EXHIBITIONS

荻野夕奈 「Silent Tales」

荻野夕奈 p-090223_1 2023

 ミヅマアートギャラリーで、荻野夕奈による個展 「Silent Tales」が開催される。

 荻野は1982年東京都生まれ。2007年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了。これまで 「アジアン アート ビエンナーレ バングラデシュ」をはじめ国内外を問わず多数のグループ展に参加。また、ニューヨークなど各地で個展を開き、精力的に作品を発表してきた。さらに現在は作品制作だけでなく、蜂蜜などの商品ラベルの制作や小説家・島田雅彦の新聞連載小説 『パンとサーカス』(講談社、2022)の挿絵を画家グループの一員として担当するなど活動の場を広げている。

 荻野は、花や人物といった、彼女にとって身近な生物を主なモチーフにした半抽象画を描いている。 キャンバスに描いていく過程で、具体的な描写から徐々に抽象的な形態へと再構築させ、様々なイメージの形の連鎖や軽やかな色のリズムを生み出す。

 荻野が近年よく描く人物ヌードでは、男性目線のエロティシズムを取り払い、命の存在、感情、儚さに潜むエネルギーに着目した女性ならではの視点により、しなやかなタッチで描いている。本展では、通り過ぎていった風景からインスピレーションを受けたもの、その背景にある、言葉のない物語を表現した作品群が展示される。

 なお、第2弾となる荻野の作品集 『Traces of Life』が本展にあわせて出版され、会場にて初日から発売される。