ARTISTS
マシュー・バーニー
Matthew Barney
マシュー・バーニーは1967年アメリカ・サンフランシスコ生まれ。87年、フットボール特待生としてイェール大学医学部に入学。その後、美術学部に転部する。在学中、体を拘束した状態で描く行為自体を作品とした「拘束のドローイング」シリーズの制作を開始。フットボールの経験と医学の知識を下地としたパフォーマンスから、美容整形用のシリコンなどを使った彫刻作品が派生し、インスタレーションや映像作品も展開するようになる。91年にサンフランシスコ近代美術館での個展で一躍注目され、ドクメンタ9(1992)の招聘を皮切りに国際展に多数参加。ヴェネチア・ビエンナーレでアペルト部門「ヨーロッパ2000」賞(1993)、グッゲンハイム美術館「ヒューゴ・ボス」賞(1996)を受賞する。
93年、性の曖昧さをテーマとした長編映画シリーズ『クレマスター』を構想。「クレマスター」は、睾丸につながる腱を包み温度によって伸縮する、卵巣と陰嚢のあいだにある筋肉を指す医学用語。作中には架空のキャラクターとしてバーニー自らが出演し、人体を変容させながら、幻想的で意味深な物語がほぼ台詞のないままに続く。「4」(1994)、「1」(1995)、「5」(1997)、「2」(1999)の順番で公開され、「3」(2002)で完結。シリーズ完結にあわせ、グッゲンハイム美術館ほか国内外で回顧展が開催された。
2005年に金沢21世紀美術館で日本初個展「拘束のドローイング」を開催し、「捕鯨」や「茶道」など日本文化をテーマとした《拘束のドローイング9》を発表。歌手のビョークとのコラボレーション作品としても話題を呼んだ。17年には、1都市2作品までの限定上映であった『クレマスター』全5作が、東京都写真美術館、山口情報芸術センター[YCAM]ほか5会場で上映された。
93年、性の曖昧さをテーマとした長編映画シリーズ『クレマスター』を構想。「クレマスター」は、睾丸につながる腱を包み温度によって伸縮する、卵巣と陰嚢のあいだにある筋肉を指す医学用語。作中には架空のキャラクターとしてバーニー自らが出演し、人体を変容させながら、幻想的で意味深な物語がほぼ台詞のないままに続く。「4」(1994)、「1」(1995)、「5」(1997)、「2」(1999)の順番で公開され、「3」(2002)で完結。シリーズ完結にあわせ、グッゲンハイム美術館ほか国内外で回顧展が開催された。
2005年に金沢21世紀美術館で日本初個展「拘束のドローイング」を開催し、「捕鯨」や「茶道」など日本文化をテーマとした《拘束のドローイング9》を発表。歌手のビョークとのコラボレーション作品としても話題を呼んだ。17年には、1都市2作品までの限定上映であった『クレマスター』全5作が、東京都写真美術館、山口情報芸術センター[YCAM]ほか5会場で上映された。