色とりどりの蝶、さまざまな柄をもつカタゾウムシ、水彩画のように色鮮やかな羽を持つビワハゴロモ……。多様性に満ちた美しい昆虫標本の世界を紹介する展覧会が、2018年1月より開催される。
本展の監修を手掛けた昆虫学者・丸山宗利は、国立科学博物館やシカゴのフィールド自然史博物館に研究員として務めたのち、九州大学総合研究博物館に勤務。学術的な研究の傍ら、書籍の出版やNHK夏休み子ども科学電話相談への出演など、昆虫の魅力を一般に伝えるために、多岐にわたって活動している。
本展では、九州大学総合研究博物館の400万点を超す国内最大の昆虫標本コレクションから厳選した約2000点を展覧するほか、科学的な正確さと美しさを兼ね備えた昆虫画と植物画も紹介。合わせて展示される昆虫写真は、ピントが合った部分を合成して1枚に仕上げる「深度合成写真撮影法」を用いて、丸山自身が制作したものだ。
また、九州大学の歴史的家具を使用して演出された展示空間も本展の魅力のひとつ。静謐な会場に陳列された昆虫たちは、訪れた人に、普段見過ごしている世界の美しさを教えてくれるだろう。