「文化交流」の視点から桃山文化を再考する。「新・桃山展」で国内外の貴重な作品が集結
鉄砲が伝えられた1543年(42年)から「鎖国」が完成した1639年までの約100年間の美術を、「文化交流」の視点から見つめ直す展覧会が、九州国立博物館で開催される。会期は10月14日〜11月26日。
ポルトガルが鉄砲を伝えた1543年(42年)から「鎖国」が完成した1639年。室町時代末期から江戸時代初期にあたる日本では、アジア諸国に加え、東方貿易に参入してきたヨーロッパとの交流が盛んに行われた。
本展では、この激動の時代において、時勢と人、モノの往来に対して異なる外交政策をとった3人の天下人ー織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ーに注目。それぞれを各章の案内役として、対外交流という新たな観点から、時代を彩った美術品をみつめなおす。
各章では、80年ぶりの公開となる《南蛮屏風》(16〜17世紀)や、《聖フランシスコ・ザビエル像》(17世紀)《花鳥蒔絵螺鈿聖龕》(16〜17世紀)といった重要文化財、さらに国宝に指定されている《檜図屏風》(1590年)《松林図屏風》(16 世紀)などを展示。天下人が愛した桃山文化の傑作が登場する。
またエピローグでは、日本からの輸出品に影響を受けて、マカオやメキシコで制作された油彩画の屏風(ビオンボ)に光を当てる。このビオンボが日本で公開されるのは、今回が初めてだ。
目まぐるしく世界が変化した大航海時代の日本美術を、「文化交流」の視点から紐解く本展。期間中には、本展の内容をさらに深めることができる講演会や特別展示など、さまざまな関連イベントも予定されている。