横浜・中区にある複合文化施設「BankART Studio NYK」が2018年4月に閉鎖することが明らかになった。
「BankART Studio NYK」は1953年に建てられた日本郵船の元倉庫。2006年に建物の一部分をリノベーションして、アートスペースに転用。08年に横浜トリエンナーレの会場として使用するために全面改修した。広さは3000平米で3階建て。内部には展示室、川俣正が制作したホール、制作スタジオ、カフェ・パブ、ショップ、ゼミ室を兼ねた図書室などがあり、「横浜トリエンナーレ」や「日産アートアワード」など、数々の展覧会場として利用されてきた。
今回の閉鎖は、同施設を管理する横浜市と、同施設を所有する日本郵船との賃貸更新契約が更新できなかったため。横浜市文化観光局創造都市推進部創造都市推進課によると、契約更新の交渉が始まったのは2016年1月頃。市側は継続使用を願い出たが、日本郵船は「施設の老朽化」と「土地の有効活用検討」のためこれを拒否。市側も独自で老朽化を解消すべく交渉を重ねたが、結果的に日本郵船からは「数年間限定での建物の有償譲渡と土地の借用」と「土地返却時は建物を取り壊すこと」が条件としてて提示され、断念に至ったという。
市は今後、「BankART Studio NYK」がこれまで行ってきた機能を継続できるように検討していくとしている。