1948年オランダ生まれのテオ・ヤンセン(Theo Jansen)は、デルフト工科大学で物理学を専攻。その後画家になったヤンセンだったが、若い頃から抱いていた生物の進化に対する関心から、90年代以降は、「ストランドビースト」という造形物を生み出し続けている。
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「ストランドビースト」は、オランダ語の砂(Strand)と生物(Beest)をつなぎ合わせた、ヤンセンによる造語。複雑に組まれたプラスチック・チューブを骨格にもち、風などの自然エネルギーを原動力とする巨大生物だ。
海水の水位上昇が問題となっているオランダを守るものとして生まれたビースト。同時にヤンセンは、自然との共生や自然エネルギーの偉大さ、廃材が生み出す生命力を、この生物を通して表現している。
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本展では、日本では未発表の最新作を含むビーストを13点を展示するほか、構想スケッチや、その独特の動きの秘密がわかる模型など約50点も紹介。国際的に活躍するキネティック・アーティストの思想と、彼が創造する巨大人工生命体「ストランドビースト」の魅力に迫る展示となっている。