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「マダム菊池」のコレクションに見る、現代陶芸の美

6月10日から「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション」展が菊池寛実記念 智美術館にて開催。菊池智の審美眼によって集められた陶芸作品から約60点が展示される。

鈴木藏 志埜向付 流旅転生ノ内 刺身皿 1985

 「マダム菊池」こと菊池智(1923-2016)は、菊池寛実記念 智美術館の設立者であり、現代陶芸に情熱をそそぎ、その魅力を国内外に伝えた。

 父はエネルギー産業に従事した実業家の菊池寛実(1885-1967)で、智がやきものに出会ったのは、父が戦時中に経営していた炭鉱に訪れた時だった。そこに働きに来ていた瀬戸の陶工のためにつくられた登窯で、やきものがつくられる光景を目にし、やきものに魅せられた智は、1950年代後半から本格的に陶芸の蒐集を始め、自らその魅力を伝えるためにギャラリーの開設へ向かっていった。

富本憲吉 白磁八角共蓋飾壺 1932

 74年には現代陶芸のギャラリー「寛土里(かんどり)」をオープン。79年にはニューヨークの老舗百貨店「ブルーミングデールズ」に寛土里を出店したことがきっかけとなり、83年にはスミソニアン国立自然史博物館(アメリカ・ワシントン)とヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン・イギリス)で自身の現代陶芸コレクション約300点を展示し、成功を収めた。

 85年に展示施設「菊池ゲストハウス」を開設し、3つの展覧会を開催。この経験を経て、2003年に現代陶芸を継続的に鑑賞する場として「菊池寛実記念 智美術館」を開館した。

 「珠玉の現代陶芸 マダム菊池のコレクション」展では、富本憲吉や八木一夫をはじめ、日本の現代陶芸を語る上で欠かせない作家の作品を約60点展示し、菊池智が生涯愛し続けた陶芸の魅力に迫る。

編集部

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