2016年1月から4月にかけ、横浜美術館で自身のコレクションを一堂に紹介する「村上隆のスーパーフラット・コレクション-蕭白、魯山人からキーファーまで-」で大きな話題を集めた村上隆。村上は、陶芸をコレクションするだけでなく、東京・中野で現代陶芸のショップOz Zingaroを運営し、海外のアートシーンにも紹介を試みてきた。また、「村上隆のスーパーフラット・コレクション」でも、約400点もの現代陶芸が出品されていたことは記憶に新しい。
本展では、村上コレクションのなかから、青木亮、安藤雅信、村田森、小嶋亜創らの現代陶芸作家の作品に加え、奈良美智、小出ナオキ、青島千穂、大谷工作室、ガブリエル・オロスコ、ローズマリー・トロッケル、クララ・クリスタローヴァらの現代美術作家による陶芸作品など、25作家(予定)、約300点を展示。
利休にはじまる茶の湯、柳宗悦を中心とした民藝運動、前衛陶芸からクラフトフェア、現代の生活陶芸まで、多様に展開する陶芸の世界から、日本の価値と美のありようを汲み上げる村上の頭の中の陶芸史を初公開する。
本展について、村上は次のような言葉を寄せている。
「戦後の陶芸の世界は、アニメ・マンガと同じく、日本の国内で、質量、流通の形式、全てが熟成してきており、かつ煮 詰まって来ているようにも思えます。まさに今、陶芸の世界は、アニメ・マンガと同じように、国外へ羽ばたく方向性 の模索が始まった過渡期だと思います。そういう陶芸の世界の変節点の裂け目を、現代美術家、村上の目、思考を通して、独特すぎる形で紹介したいと思います。今回チョイスするのは、僕が画商やコレクターとしての立場から、深いコミュニケーションを果たした作家さんたちです。海を渡っていく陶芸、もしくは日本の陶芸の引力圏内に残って更に深度を深めようとする陶芸。そういった変節点にある陶芸作品の未来の発展形を妄想してもらいたいと思います」。(プレスリリースより抜粋)