メトロポリタン美術館の服飾部門による2018年の企画展「Heavenly Bodies:Fashion and the Catholic Imagination(天国の身体:ファッションとカトリックのイマジネーション)」が2018年5月10日に開幕した。キュレーターは映画「メット・ガラ ドレスをまとった美術館」でも注目された同館のアンドリュー・ボルトン。
本展はそのタイトルの通り、カトリックの装飾文化と、それに影響を受けた20世紀以降のハイファッションを展示することで、その相互作用を提示するという内容。実際に教会で使用されてきた貴重な品物や、様々なキリスト教モチーフを用いたアンサンブルやウェディングドレスが、趣向を凝らした大胆な方法で展示されている。
ボルトンは本展について、「カトリックのイメージがいかにデザイナーに影響を及ぼしたのか」、「美術館のコンテクストのなかで、ファッションと宗教美術に対話をさせる」展覧会だと語り、同館所蔵品の中からも宗教をモチーフにした作品を選んだという。
展示品のなかでも、とくにバチカン市国システィーナ礼拝堂が所蔵する18世紀から20世紀の宝飾品や祭服などは注目だ。これらの多くはバチカン以外では見ることができなかった貴重なもので、この展覧会のために40点が貸し出されている。
それに加えて、本展では20世紀以降の150点以上のコスチュームも見ることができる。
本展の協賛をすることで話題になったヴェルサーチをはじめ、ジョン・ガリアーノがクリスチャン・ディオール在籍時代に作成したアンサンブル、マリア・グラツィア・キウリがヴァレンティノ在籍時代に作成したドレス、ドルチェ&ガッバーナのウェディングドレスなど、さまざまなかたちの華やかかつ荘厳なコスチュームが堂々とならぶ。
毎年世界中の話題をさらう、メトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートの展覧会。本展は例年よりも会期が1ヶ月長く、また展示会場も増やした過去最大の規模で開催されている。