アートとファッションの華麗な
饗宴 映画『メットガラ』4月公開

ニューヨークのメトロポリタン美術館を舞台に、毎年5月の第1週に開催されるガラパーティー「メットガラ」。その舞台裏に迫ったドキュメンタリー映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』が4月15日より、Bunkamuraル・シネマほかにて全国公開される。

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』より、レッドカーペットを上がるリアーナ © 2016 MB Productions, LLC

「メットガラ」は、世界中のファッショニスタから注目を浴びる、世界でもっとも華やかなファッションイベントのひとつ。その目的は、メトロポリタン美術館服飾部門の1年分の活動資金を集めることにあり、席料は1人当たり2万5000ドル(約286万円)という高額にもかかわらず、そこに列席することはセレブたちのステイタスにもなっている。

本作は、2015年5月2日に行われた「メットガラ」と、時を同じくして開幕した「鏡の中の中国(China: Through The looking Glass)」展の裏側を追ったドキュメンタリー。主役となるのは、「メットガラ」主催者であるファッション誌『VOGUE』(US版)の名物編集長、アナ・ウィンターと、「鏡の中の中国」展を手がけたメトロポリタン美術館服飾部門主任キュレーター、アンドリュー・ボルトンの2人だ。

アナ・ウィンターは1988年より現職に就き、言わずと知れた敏腕編集長として、ファッション界をリードする存在だが、その一方でメトロポリタン美術館の理事という側面も持っている。そのアナとともに、二人三脚で「メットガラ」と「鏡の中の中国」展を手がけたアンドリュー・ボルトンは、同館で2011年に「アレキサンダー・マックイーン/野生の美」展を担当。同展はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館にも巡回し、大成功を収めたことで話題となった。

「鏡の中の中国」展は、その「アレキサンダー・マックイーン/野生の美」展を超えるべく企画されたもので、映画のなかでは、ボルトンが同じ館内のアジア美術部門との折衝や、中国側との難しい交渉を重ねながら、展覧会を組み立てていく様子がスリリングに描かれている。近年ではその数も増加してきた美術館でのファッション展。しかし、いまだに「ファッションはアートか」「ファッションを美術館で展示すべきか」という議論はあり、本作でもジョン・ガリアーノやカール・ラガーフェルドといったトップデザイナーたちが、自らの意見を主張する場面が盛り込まれている。

その一方で、鑑賞者の目をおおいに楽しませてくれるのが、展示に使用された数々のドレスや、メットガラに登場するリアーナ、アン・ハサウェイ、レディ・ガガといったスターたちの豪華絢爛な姿だ。アナ・ウィンターとボルトンがファッション展にかける熱い情熱とともに、華やかなひとときを堪能してほしい。

なお、メトロポリタン美術館では今年、5月4日より「川久保玲/コムデギャルソン展」を開催。「メットガラ」には川久保をはじめ、ケイティ・ペリーやファレル・ウィリアムズらの参加が決定している。

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』より、アナ・ウィンター(左)とアンドリュー・ボルトン(右) © 2016 MB Productions, LLC

編集部

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