SERIES

PREMIUM

第39回

WORLD REPORT「台北」:陽光の届かない忘れられた記憶に光をあてる 炭鉱文化とアートのいま

雑誌『美術手帖』の「WORLD REPORT」では、世界の各都市のアートシーンや話題の展覧会をリポート。2024年4月号の「台北」は、様々な社会変化から埋もれてしまった炭鉱文化の歴史に注目したアートプロジェクトを取り上げる。同地のパフォーマンスカンパニー河床劇団による『被遺忘的(忘れられたもの)』、そして社会運動に取り組み、炭鉱夫を含む労働者や一般市民の貧困を描いた画家・洪瑞麟による絵画は、現代を生きる我々に何を伝えてくれているのか。栖来ひかりが論じる。

SERIES / WORLD REPORT

PREMIUM

第38回

WORLD REPORT「イポー」:マレーシアの地方都市の芸術祭で見えた中心なきアートの「今日の世界」

雑誌『美術手帖』の「WORLD REPORT」は、世界の各都市のアートシーンや話題の展覧会をリポート。2024年4月号のマレーシアの都市「イポー」では、2023年12月に同地で開催された「イポー・インターナショナル・アート・フェスティバル 2023」をアート・ジャーナリストの金井美樹が紹介する。「今日の世界」をテーマに小規模かつ短い会期で開催された本芸術祭の意義とは? そして、いままでヨーロッパを拠点に活動してきた著者が、イポーで見た景色とはどのようなものだったのか。

SERIES / WORLD REPORT

PREMIUM

第37回

WORLD REPORT「ロンドン」:支配しない、されないために 人と自然はよりを戻すことができるのか

雑誌『美術手帖』の「WORLD REPORT」では、世界の各都市のアートシーンや話題の展覧会をリポート。2024年4月号の「ロンドン」は、2023年に開催されたマリアンヌ・キーティングによる「マリアンヌ・キーティング: 沈黙」展と「RE/SISTERS: ジェンダーとエコロジーに関する観点」展を紹介する。歴史のなかに潜む権力構造に着目し、それを紐解きながら、その関係性の修復の可否について考えるこれらの出展作について、橘匡子が論じる。

SERIES / WORLD REPORT

PREMIUM

第23回

ここに瀬羅佐司馬がいた──ハンセン病患者・回復者の自画像をめぐって。吉國元が語る「絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年」(国立ハンセン病資料館)

美術館の学芸員(キュレーター)が、自身の手がけた展覧会について語る「Curator's Voice」。第23回は、国立ハンセン病資料館で開催中の「絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年」(~9月1日)を取り上げる。自身も美術家として絵を描き続けている同館学芸員の吉國元が、本展企画者そしてひとりの描き手としての視点から、長きにわたり国立療養所多磨全生園の入所者らが置かれてきた立場、そしてその入所者のひとりであった瀬羅佐司馬が描いた自画像について語ってくれた。

SERIES / Curator's Voice

PREMIUM

第36回

WORLD REPORT「ニューヨーク」:ヘンリー・テイラー個展から考える アメリカでの人権をめぐる景色の変化

雑誌『美術手帖』の「WORLD REPORT」では、世界の各都市のアートシーンや話題の展覧会をリポート。2024年4月号の「ニューヨーク」は、ホイットニー美術館で開催されたヘンリー・テイラーの個展「ヘンリー・テイラー:Bサイド」を取り上げる。市場化される「DEI」が分岐点にある現在、そのアメリカにおける社会正義にどのような変化をもたらしているのか。本展から見える景色とは? 國上直子が論じる。

SERIES / WORLD REPORT

第8回

メディア・アーティスト、ルー・ヤン。その精神世界と、NFTとの緩やかな関わり方

3DCG、コンピュータ・ゲーム、モーションキャプチャーといったデジタル技術を駆使しながら、映像、インスタレーションなど多様な手法でアウトプットするメディア・アーティスト、ルー・ヤン(陸揚)。NFTアートの作品も複数発表しているが、そのすべてが外部のチームの全面協力を得て実現したものだという。作品イメージからはどこかギャップのある、民家をリノベーションした東京都内の新スタジオで、NFTとの緩やかな関わり方や、作品に投影する自身の哲学・精神世界について話を聞いた。

第74回

櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:針仕事の豊かな時間

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載。第74回は、退職後に立体刺繍に独学で取り組む神谷厚志さんに迫る。

PREMIUM

第1回

日米のゲームデザインの発展史と美術史の関係とは?

マンガ、アニメといったサブカルチャーは、2000年の村上隆による「スーパーフラット」以降、日本の現代美術の文脈を語るうえでもはや外すことができない領域となった。いっぽうで、ヴィデオゲームがその文脈であまり語られてこなかったのはなぜなのだろうか。日米間におけるヴィデオゲームの発展を美術史の流れになぞらえながら整理するとともに、そのなかで培われた独自の空間意識からゲームにおけるキャラクターデザインの美学、そしてゲームと現代美術はいかに交わっていくことができるのかについて、現代美術家・たかくらかずきが全3回にわたって論じる。

PREMIUM

第20回

[ARTIST IN FOCUS]照屋勇賢:ポップ・アートを通じた批判的な眼差しが持つ両義性

既製品や身近なオブジェクトを用いた作品をはじめ、自身の生まれ故郷である沖縄が抱える複雑な問題や固有の歴史を映し出した作品を発表してきた照屋勇賢。沖縄では初となる大規模個展を沖縄県立博物館・美術館にて開催した作家に、これまでの歩みと、多様なテーマや表現手段の基盤となる考えを聞いた。

SERIES / ARTIST IN FOCUS

PREMIUM

第18回

[ARTIST IN FOCUS]寺内曜子:成るべくして出てくる形で伝える世界に対立は存在しないということ

「私たちは部分しか見ることができない」ということをテーマに、ミニマムな形や場所性を生かしたインスタレーションで、世界との関係を体感させる作品を展開してきた寺内曜子。新作の発表が続くいま、改めて寺内の制作を貫いているコンセプトの核心に迫る。

SERIES / ARTIST IN FOCUS

PREMIUM

第21回

いま、テキスタイル展を行う意義とは。高橋瑞木が語る「須藤玲子:NUNOの布づくり」展

美術館の学芸員(キュレーター)が、自身の手がけた展覧会について語る「Curator's Voice」。第21回は、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催中の展覧会「須藤玲子:NUNOの布づくり」(〜5月6日)をピックアップする。須藤作品の素晴らしさや本展を企画した背景、そして近年、テキスタイル作品に対する注目が高まる理由などについて本展の企画者・高橋瑞木が語る。

SERIES / Curator's Voice

PREMIUM

第21回

プロジェクト・リーダーの平井京之介が語る企画展「水俣病を伝える」(国立民族学博物館)。「伝える」を伝えるフィールドワーク展示はいかに出来上がったのか

美術館/博物館の学芸員(キュレーター)や研究員が、自身の手がけた展覧会について語る「Curator's Voice」。第21回は、国立民族学博物館で開催中のみんぱく創設50周年記念企画展「水俣病を伝える」(〜6月18日)をピックアップする。「水俣病を伝える」活動とそれに取り組む人びとに焦点を当て、約150点の資料とともに紹介する本展が目指したものや課題について、プロジェクト・リーダーの平井京之介が語る。

SERIES / Curator's Voice

PREMIUM

第68回

日本の戦争責任から原発まで、政治問題を照射する越境の画家。富山妙子

第8回横浜トリエンナーレ(2024年3月15日~6月9日)における富山妙子の小展示「わたしの解放」にあわせ、2021年8月号特集「女性たちの美術史」より、文化研究者・山本浩貴のテキストを掲載。戦後から、炭鉱、鉱山や慰安婦、光州事件、自らの戦争体験、原発問題などを主題に絵と文筆で活動し、今年(2021年)100歳を迎える富山妙子。社会との関係のなかで続けられてきた批判的創作活動の歩みを解説する。

SERIES / BT ARCHIVES

第6回

アートと気候危機のいま vol.6 コラム「訪問者の移動と、二酸化炭素排出量の現実」 

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ [AIT/エイト]設立メンバーのひとりであり、TOTAL ARTS STUDIES(TAS) プログラム・ディレクター、ロジャー・マクドナルドによる、気候危機とアートについての連載。ニュースやインタビューで海外の動向の「いま」をわかりやすく紹介する連載の第6回は、ロジャーによるミニコラムを紹介。世界のアート界でもっともCO2を排出しているものと、その対策について取り上げる。 *The English version is below the Japanese.

SERIES / Art and Climate NOW

第73回

櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」: 天翔る龍の如く

ヤンキー文化や死刑囚による絵画など、美術の「正史」から外れた表現活動を取り上げる展覧会を扱ってきたアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正。2016年4月にギャラリー兼イベントスペース「クシノテラス」を立ち上げ、「表現の根源に迫る」人間たちを紹介する活動を続けている。彼がアウトサイドな表現者たちに取材し、その内面に迫る連載。第73回は、巨大な松ぼっくりを加工して竜のオブジェを制作している鈴木一夫さんに迫る。

PREMIUM

第20回

20年越しの再集結が見せてくれるものとは。学芸員・植松篤が語る「天地耕作 初源への道行き」

美術館の学芸員(キュレーター)が、自身の手がけた展覧会について語る「Curator's Voice」。第20回は、静岡県立美術館で開催中の展覧会「天地耕作 初源への道行き」(〜3月27日)をピックアップする。村上誠、村上渡、山本裕司ら3人によって行われてきた野外美術制作プロジェクトが20年ぶりに美術館という場所で再集結。そのアーカイヴや美術館裏山に登場した野外作品は、鑑賞者に何をもたらすだろうか。リサーチから企画、実現に至るまでの道のりを担当学芸員・植松篤が語る。

SERIES / Curator's Voice

第1回

TODA BUILDINGがアートを核とする理由。アドバイザリーコミッティに求められる「見立て」の視点

東京都中央区京橋。アーティゾン美術館と隣接する敷地で、2024年11月にオープン予定で大規模開発が進められているTODA BUILDING(以下、TODAビル)の中核に、戸田建設が主導するアート事業「ART POWER KYOBASHI」が位置づけられている。この事業背景について、アドバイザリーコミッティーに名を連ねるクリエイティブディレクターの小池一子、建築家であり東京大学生産技術研究所特任教授の豊田啓介、戸田建設で京橋プロジェクトのリーダーを務める小林彩子に話を聞いた。