• HOME
  • MAGAZINE
  • SERIES
  • 櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:「できること」を失っ…

櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:「できること」を失った先に【3/5ページ】

 地域活動の代表職を退いた60代前半からは、趣味の創作活動に没頭するようになる。若い頃は仕事や子育てに追われ、創作に打ち込む時間がなかったという。ステンドグラスや蕎麦打ちなど、様々な創作を試すなかで、とくに熱中したのは木彫りだった。孫を喜ばせるために始めたアンパンマンの木彫りから発展し、おとぎ話を題材にした木彫り作品を10数点制作した。ホームセンターで安価な板を買い、彫刻刀で形を彫り、絵の具で彩色し、ニスで仕上げる。孫の喜ぶ顔を想像しながら、一つひとつの作品に心を込めた。

齋藤七海さん

編集部