2020年は兵庫県立美術館の前身である兵庫県立近代美術館が開館してから50年目となる。これを記念して開催されるのが特別展 開館50周年記念「超・名品展」だ。
50年で、美術の概念や社会における美術に対する期待のあり方は大きく変化した。そのなかで新たに発見・発掘され、解釈が加わったことで評価される名品があるいっぽう、評価の核心が見えにくくなった名品も存在する。加えて、全国各地に建設された美術館・博物館により、地域ならではの価値が見出され、名品となった作品もある。
同展は、そのような作品の評価の変遷や、受容、作者と作品への関心の変化に注目しつつ、名品とは何か、何であったのか、そして美術館や見るものにとってどのような可能性を持つのかを探る展覧会だ。
扱う作品の年代は、明治・大正期から70年代ごろまで。高橋由一、小山正太郎、和田三造といった明治・大正期の洋画家から、マヴォに参加していた柳瀬正夢や、ラディカルなアマチュア作家・安井仲治といった前衛作家の作品、草間彌生や篠原有司男といった現代美術に連なる作家の作品をその評価の変遷とともに紹介。改めて検証を試みる展覧会だ。