黄金期を迎えるスウェーデン・テキスタイル
スウェーデンで近代的なインテリア様式への関心が高まったきっかけは、1930年のストックホルム博覧会とされる。さらに50年代に入ると、紡績会社が「アートディレクター」としてデザイナーを起用する事例が増加し、高品質なテキスタイルデザインが次々と生み出された。以降、スウェーデンは厳密な機能主義から脱却し、より鮮やかで洗練された様式へと進化を遂げていく。

第3章「暮らしのなかのテキスタイル」では、こうして花開いたテキスタイルデザインがインテリアやファッションへと展開していく様子を紹介。北海道東川町が所蔵する同時代の家具や陶磁器に加え、サラが収集したカラフルな衣服も展示されている。


エピローグ「未来へ受け継ぐ」では、テキスタイル文化の保存・普及と未来へ向けた取り組みを紹介。各地方の染織工業における技術の向上・継承を目指す「ハンドアルベーテス・ヴェンネル(手工業友好協会)」(1874年設立)や、テキスタイル産業の黄金期に数々のデザイナーを輩出した教育機関「アンダース・ベックマン・スクール」(現 ベックマン・デザインスクール、1939年開校)、テキスタイル文化の発信拠点である「テキスタイル・ファッション・センター」(2014年設立)、老舗インテリア・ブランド「スヴェンスク・テン」(1924年創業)などの活動をたどる。さらに同章では、スヴェンスク・テンで2018年に商品化された日本人アーティスト・宇都宮琴音のアイテムも展示されている。
長い冬を過ごす北欧において、室内の暮らしがいかに重要であったかが感じられるとともに、テキスタイルを通じてスウェーデンの文化や生活美学を読み解くことができる展覧会となっている。
なお、展示室外の長い廊下には、本展のプレワークショップ「みんなで描こう きぬたの森の夏休み(ソンマルロヴ)」で宇都宮と子供たちが制作した巨大な壁画が展示されており、こちらも見逃せない。




















