なかでも本展の大きな見どころとなるのが、本展のために制作された新作壁画《スノーデン》(2026)だ。日本での滞在制作による本作は、日本の都市風景や森の風景から着想を得ているというサイトスペシフィックな作品といえる。タイトルの「スノーデン」は、画面に描かれた雪に由来するのか、あるいは2013年のスノーデン事件を想起させるものなのか。ひとつのイメージに複数の解釈が重なりあう点も、モリス作品の特徴と言えるだろう。


さらに本展では、大阪とゆかりの深い作品として、同館が2018年度に収蔵した映像作品《サクラ》(2018)と、絵画作品《黒松[住吉]》(2023)も展示されている。モリスの視点を通してとらえられた日本の風景は、都市や自然、制度と個人の関係性をあらためて浮かび上がらせる。


自身もまたシステムの一部であること、そしてアートを通じて大きなシステムと関わること。モリスの作品群は、鑑賞者にミクロとマクロの両方の視点から世界を見つめ直す新鮮な機会を与えてくれる。



















