同館は6階部分が常設展示室となっているが、ここにも注目すべきリニューアルポイントがいくつかある。今回、常設展示室にこれまであった朝野新聞社を建て替え、史実に基づくかたちで、明治の銀座の象徴ともいえる服部時計店が原寸大で再現される。この服部時計店に入ると、明治以降の東京の様子を模した東京ゾーンへと繋がる構成だ。また本展示室内に新たに空の映像が投影され、人々が時間の変化を感じられるようなイマーシブな体験を生み出す。


改修前からあった芝居小屋「中村座」は、来館者による「芝居小屋の中に入りたい」という声に応え、新たに内部へ入れる体験展示に生まれ変わる。また自動車初の重要文化財である、東京市初の公営乗合自動車「円太郎バス」も、新たに常設展示に加わる。現存する最古の車輌であり、唯一の円太郎バス伝存車輌でもある貴重な資料だ。また江戸ゾーンには、資料をもとに江戸の様子を忠実に再現した街並みが広がる予定である。

同館内の小ホール横の壁にも注目したい。この壁は、東京都優秀技能者(東京マイスター)でもある左官職人の久住有生による左官仕上げが施されている。左官仕上げは、江戸時代の三大花形職業とも言われた伝統的な技術である。江戸・東京の歴史と文化を伝える同館のエントランスに合わせた、伝統とモダンが融合した空間をつくりあげる。

また館内レストランもリニューアルされ、江戸前の料理を和モダンな空間で堪能することができるようになる。食文化もあわせて楽しめるような体験設計だ。



















