国宝「源氏物語絵巻」、徳川美術館で10年ぶりに全点公開【3/3ページ】

 なお、本展では復元模写の数々も見どころだ。

 国宝「源氏物語絵巻」は、900年の時を経て、変色や褪色、絵具の剥落などが見られる。そうしたなかで、平安時代の本来の姿を甦らせるべく行われのが、平成復元模写事業だ。平成復元模写の国宝「源氏物語絵巻」は、科学技術分析と学術調査を踏まえ、現代の画家たちが緻密な作業を重ねて描いたもの。平安時代の人々が目にしたであろう鮮やかな姿に目を凝らしてほしい。

加藤純子筆「源氏物語絵巻 関屋」(復元模写、徳川美術館蔵)
林功筆「源氏物語絵巻 柏木(三)」(復元模写、徳川美術館蔵)
加藤純子筆「源氏物語絵巻 鈴虫(一)」(復元模写、五島美術館蔵)