本プロジェクトには、キュレーターやアドバイザーとの座談会も設けられており、作品だけでなく展示プランなどについても幅広く第3者に相談できる。実際、座談会をきっかけに当初想定していた展示内容を変更し、より自由に自身の表現に向き合えたという声もあがっている。
嵯峨美術短期大学専攻科出身の竹田朋葉も、座談会でのアドバイスに価値を感じたひとりだ。卒業から本プログラムに参加するまでの半年ほど、フリーで制作を続けていた竹田は、制作過程で第3者からのアドバイスがもらえない状況に不安を感じていたという。卒業した途端ひとりで制作を続けていかなくてはいけないことへの不安感を払拭するためにも、アトリエでの交流機会を設ける意味はありそうだ。



「TERRADA ART STUDIO 京都」のシニアディレクターを務める阿食裕子は、こうしたアーティストたちの声から、大学を横断したアーティスト同士、キュレーター、アドバイザーとの交流に意義を感じるという。いっぽう、ストレージを利用するコレクターといったアートの受け手側との交流はまだ多くはないため、今後きっかけとなるような機会は増やしていくつもりだという。2026年度以降についても、本プロジェクトは継続して続けていく意向だ。



















