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特別展「日本国宝展」(大阪市立美術館)開幕レポート。135件の国宝でたどる日本美術の系譜【3/4ページ】

 第4章「優雅なる日本の書」では、漢字文化を取り入れつつ発展した日本の書の世界を紹介。平安時代に隆盛を極めた「和様」の書や、優美な仮名文字による「高野切」など、書に宿る美意識を堪能できる構成である。第5章「和と漢」では、やまと絵による肖像画や、足利将軍家に仕えた絵師たちの水墨画、さらには中国から渡来した唐物の絵画などが並び、中世日本における書画文化の多様性と洗練を示している。

展示風景より
展示風景より

 第6章「サムライ・アート」では、刀剣や甲冑をはじめとする武士の美意識が凝縮された品々が紹介。とりわけ《黒韋威胴丸》(広島・嚴島神社蔵、4月26日~5月18日)は、南北朝時代以前の遺品として非常に希少な作例であり、日本の職人技と武士道精神の象徴とも言える。

「サムライ・アート」の展示風景より
「サムライ・アート」の展示風景より

編集部