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「パウル・クレー展──創造をめぐる星座」(兵庫県立美術館)開幕レポート【2/4ページ】

 会場は、「詩と絵画」「色彩の発見」「破壊と希望」「シュルレアリスム」「バウハウス」「新たな始まり」といった全6章で構成。まず1章の「詩と絵画」では、19歳で画家になるためドイツのミュンヘンに移住し、その後アカデミーを中退してからは独学で絵を学ぶようになった、若き日のクレーの活動を紹介している。

 デビュー作でもある10組の銅版画「インヴェンション」シリーズや、マネやホイッスラーからの影響が見て取れる作品群からは、暗闇のなかから生み出される「光の表現」を試行錯誤していたことがうかがえる。その後クレーは、ミュンヘンにて芸術グループ「青騎士」と交流を深めるなかで、ヴァシリー・カンディンスキーと出会うこととなる。

展示風景より、パウル・クレー《老たる不死鳥「インヴェンション」より》(1905)
展示風景より
展示風景より、ヴァシリー・カンディンスキー/フランツ・マルク(編集)年間誌『青騎士』(1912)

 2章「色彩の発見」では、カンディンスキーとの出会いや、パリで興ったキュビスムの影響が見られる作品群が、ピカソをはじめとする当時の周縁のアーティストらの作品とともに紹介されている。

 また、1914年にクレーは青騎士展に参加していたアウグスト・マッケや旧友のモワイエとともに当時フランス領であったチュニジアに滞在。そこで、3人で刺激を与えあいながらも、色彩表現の試行錯誤やキュビスムの応用、そしてチュニジアで目にした鮮やかな色彩を受けてさらなる制作活動に励んでいった。

展示風景より、パウル・クレー《北方の森の神》(1922)
展示風景より、パウル・クレー《チュニスの赤い家と黄色い家》(1914)

編集部

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