小西真奈「Wherever」に見る、画家のタッチの変遷【3/4ページ】

 続く第2章は、「Drawings」。展示されているのは、2020年から2023年にかけて鉛筆で描かれたドローイング作品と、関連する3点の油彩作品だ。

第2章「Drawings」展示風景より
第2章「Drawings」展示風景より

 油彩作品とドローイングが並んだ3組の展示を見ると、油絵の準備段階で描かれたスケッチのようにも見えるが、同じ構図であっても、必ずしもドローイングが先に描かれたわけではないという。いずれも、画家自らが撮影した写真をもとに描いた作品であり、純粋にモチーフを同じくするだけで、どちらがどちらのために描かれたという関係性をもつわけではない。目の前の対象を直感的に読み取り、目で見た情報を直接手に伝達して描かれたような躍動感が画面を覆っている。

編集部

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