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東京国立博物館、「あそびば☺とーはく!」で目指すアクセシビリティの向上

東京国立博物館が、初の試みとして本館内で「あそびば☺とーはく!」をスタートさせた。その狙いとは?

文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

「あそびば☺とーはく!」

 東京・上野の東京国立博物館が、史上初となる親子向けのスペース「あそびば☺とーはく!」をスタートさせた。

 このスペースは、本館1階にある約500平米の特別5室を利用したもの。利用は小学生以下の子供とその保護者が対象だ。

 空間の中心には、前方後円墳を模した全長12メートルの巨大ステージ「とーはく古墳」が配置。これの周囲に、リラックスコーナーや発掘現場を模したボールプール、ミュージアムショップでも購入可能な200冊の絵本が並ぶ本棚、1歳以下対象のベビーコーナー、授乳スペースなどが配置されている。また、子供の気持ちを静めるためのカームダウンスペースや水分補給が可能なスペースも完備された。

ボールプール
本棚
カームダウンスペース

 一般的に静かにすることが求められるミュージアムだが、このスペースは子供がのびのびと遊べる場所として設定されている。東博はこの試みについて、「東博は大人に特化した場所というイメージがある。今回、子育て世代を対象に調査したところ、子供と一緒に来たいという声が多かった。ミュージアムアクセシビリティを向上させるためのひとつの契機となる」としている。特別5室という、展示室のなかでも「一等地」を子供のスペースとして提供することで、「子供も楽しめるミュージアムとしての東博」というスタンスを示したい考えも見える。

 このスペースは12月8日までの期間限定。今後は館内別場所でのキッズスペース常設化を目指したい考えだが、すべては予算次第だ。日本を代表する博物館として、将来のミュージアムを支える子供たちに向けたこの施策は継続すべきだろう。

編集部

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