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落合陽一、レギーネ・シューマン、横山奈美に見る光の「ゆらぎ」。kōjin kyotoで南條史生キュレーションのグループ展

京都・荒神口にあるkōjin kyotoで、落合陽一、レギーネ・シューマン、横山奈美の3名を迎えた展覧会「ゆらぐbe with light」がはじまった。会期は6月22日まで。

 光をテーマにかがけるグループ展「ゆらぐbe with light」が、京都の新たなアートスペースkōjin kyotoで始まった。

 会場となるkōjin kyotoは、かつて京都大学の学生が集まったことでも知られる喫茶「リバーバンク」跡地に建ったスペース。そのDNAを現代に引き継ぎ、ボーダレスに好奇心とともに訪れる人々が交流し、躍動する場を目指しているという。

kōjin kyoto外観
kōjin kyoto内観

 そのこけら落としとなる本展の参加作家は落合陽一、レギーネ・シューマン、横山奈美の3名。

 キュレーションを手がけた南條史生(森美術館特別顧問、エヌ・アンド・エー代表)は本展のコンセプトについてこう語る。「かつては美術品を見るために光が求められていたが、時代とともに美術品そのものが光を持つように変化してきた。この展覧会で言う『ゆらぎ』とは、光や影の揺らぎだけではなく、意味や環境の揺らぎをも意味している」。

 会場は3フロアで構成。1階から落合、シューマン、そして横山へと続く。各作家が独立した展示だ。

 近年ますますアート分野での活動を積極的に行う落合陽一は、「Study:大阪関西国際芸術祭」で発表し注目を集めた「Re-Digitalization of Waves」シリーズを中心に展示。「Re-Digitalization of Waves」は、空中に浮遊する鏡面の彫刻が風景を切り取って回転させ、人間の魂と風景を写し取るインスタレーション《借景,波の物象化》を原型としたもの。物質的なインスタレーションをオールドレンズとデジタルカメラを用いて映像として撮影し、動き(揺らぎ)のある視覚的なNFTとして再度デジタル化した作品群だ。

展示風景より、落合陽一「Re-Digitalization of Waves」シリーズ(2022)

 また落合はこのデジタル作品をリコーの立体印刷技術「ステアリープ」を使って2.5次元の平面作品「Re-Materialization of Waves」へと展開させている。

展示風景より、落合陽一「Re-Materialization of Waves」シリーズ(2022)

 ドイツ出身のレギーネ・シューマンは、蛍光顔料を混入させた独自のアクリル板を使用し、絵画とオブジェとのあいだに位置する作品で知られるアーティスト。本展では、代表的な蛍光顔料を混入させた特殊なアクリル板を使った作品群を展示する。また階段に展示された「フルオ・カット」シリーズでは、鑑賞者がブラックライトを当てることでその色合いの揺らぎを楽しみたい。

展示風景より、レギーネ・シューマンの作品群
展示風景より、レギーネ・シューマン「フルオ・カット」シリーズ(2022)

 そして、制作を通じて「もの」に与えられた役割や制度を再考してきた横山奈美は、代表作品である「ネオン」の新作3点を展示。描かれたネオン管が発する光と、その「裏側」をじっくり鑑賞してほしい。

展示風景より、横山奈美《Open the window》(2022)
展示風景より、横山奈美《PAINTING》《Painting》(ともに2022)

編集部

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