国内の若い才能が集結。スパイラルガーデンで4回目のOKETA COLLECTION展の注目ポイントは?

これまで東京・青山のスパイラルガーデンで3回開催し、桶田俊二・聖子夫妻のコレクションを紹介する展覧会「OKETA COLLECTION」。その4回目の見どころを紹介する。

展示風景より、山口歴の作品群

 骨董品のコレクションから出発し、2010年に草間彌生の作品との出会いをきっかけに現代アートを本格的に収集し始めた桶田俊二・聖子夫妻。そのコレクションを紹介する展覧会「OKETA COLLECTION:THE SIRIUS」が、東京・青山のスパイラルガーデンで開催されている。

 桶田夫妻は、2019年にコレクションを初めて一般公開。これまで「OKETA COLLECTION」と題された展覧会をスパイラルガーデンで3回開催し、また2020年には「The World:From the OKETA COLLECTION 世界は今:アートとつながる」展を金沢21世紀美術館で開催し、話題を集めた。

展示風景より、右は井田幸昌《Gang Star/Al Capone》(2017)
展示風景より、左はSHUN SUDO《Innocent Forest 2021》(2021)

 スパイラルガーデンで開催された3回の展覧会では、1回目はファッション、ストリート・カルチャーとアートを横断して活躍するアーティスト、2回目は国際的に注目されているベテランから中堅、若手までの作家、3回目は1960年代生まれから90年代生まれまで4世代にわたる作家の作品を中心に紹介してきた。

 4回目となる本展では、日本の現代アート作家を中心に、未来を明るく輝かせるような「スターたち」の作品が集結している。参加作家の年齢は20代後半から最大42歳まで。日本の現代アートの最前線を代表するラインナップとも言える。

展示風景より、中村萌の作品群
展示風景より、左から小畑多丘《untitled》(2020)、南依岐《TOR- PtF- CMPSN- PRE- LEU4》(2021)

 パンデミックの影響で海外への渡航が困難になったこの2年間、改めて国内の若い才能や最先端の動向に向けたという桶田夫妻。今年の展覧会では、「これから世界で活躍できそうな次世代のアーティスト」「それぞれの個性があって惹きつけられる素晴らしい作家」をピックアップしたとしている。

展示風景より、左から山口歴《REVISUALIZE No,29》(2020)《PROMINENCE NO.1’》(2021)《MÖBIUS No.6》(2020)

 スパイラルガーデンの吹き抜けの大空間では、山口歴が展示監修を手がけ、平面3点と立体の新作を紹介。そのほか、今年の「VOCA展2022」でグランプリとなる「VOCA賞」を受賞した川内理香子や、先月まで東京オペラシティ アートギャラリーで個展を開催した水戸部七絵、独⾃のモチーフ「クイックターン・ストラクチャー」を用いて国内外で作品を発表してきた大山エンリコイサムなどの作品も並んでいる。

展示風景より、左は川内理香子《Make yourself at home》(2021)
展示風景より、左から水戸部七絵《Sexy Rock Alien》(2021)、中園孔二《無題》(2014)
展示風景より、右は大山エンリコイサム《FFIGURA TI#240》(2018)

 本展に際して桶田俊二は、「若い人たちに来てもらい、これから自分もコレクションしていきたいというような人が増えたら嬉しい」とのコメントを寄せている。

 10年以上にわたり現代アートの作品収集を続けている桶田夫妻。そのコレクションを通し、日本の現代アートの未来を切り開く作家たちを見つめてほしい。

桶田俊二・聖子

編集部

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