上海の中心部で行列が絶えないアートスポットがある。それが巨大な元邸宅「ロンヅァイ(榮宅)」をプラダがリノベーションした「プラダ・ロンヅァイ」だ。
同館は、1918年に建てられた西洋式のガーデンヴィラ。もともとは中国の実業家・榮宗敬(ロン・ゾンジン)一族の邸宅であり、2004年には静安区の文化遺産に、翌05年には上海の歴史的建造物として認定された文化遺産でもある。
文化事業にも注力するプラダが、ほぼ廃屋だったというこの邸宅のリノベーションをスタートさせたのが2011年のこと。そこから6年の歳月をかけ、建築家のロベルト・バチョッキとともに外装・内装のすべてを改修し、唯一無二の豪奢な文化施設へと生まれ変わらせた。
プラダの上海における文化拠点として整備された同館。3階建ての館内には、色鮮やかなステンドグラスや装飾が施された階段、あるいは照明、タイルなど、見るべきポイントが至るところに散りばめられており、建築ファンにとっても垂涎の場所となっている。
現在ここを会場に、ミッフィーやモンドリアンをモチーフにしたペインティングで知られる北京のアーティスト・刘野(リウ・イエ)の個展「STORYTELLING」が開催されている(19年1月20日まで)。
ドイツのキュレーター、ウド・キトルマンがキュレーションを担当する本展では、2000年代を中心とた作品30点が館内の様々な場所に展示されており、建築とともに、その世界をじっくりと堪能できる。
なお、同館は時間指定の完全予約制。詳しくは公式サイトをチェックしてほしい。