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映画の中に入り込む体験を。
エルメスによる「彼女と。」が国立新美術館で開幕

アートの分野でも積極的な活動を行うエルメス。同メゾンがこの夏、国立新美術館と共同でこれまでにない試み「彼女と。」と題された展覧会をスタートさせる。秘密のベールに覆われていた本展の概要とは?

「彼女と。」展示風景 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon

 「彼女と。」は、エルメスが提案する現代的女性像の考察をテーマにした、観客参加型の展覧会。

 物語はひとりの「作家」がある女性(「彼女」)の存在を追いかけることから始まる。鑑賞者はこの「作家」とともに会場内をめぐり、「彼女」の姿を追い求めていくいうもの。

会場入口は映画館のよう ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon

 国立新美術館の広大な会場に入ると、そこはまるで映画館。受付でパスをもらった後は約40席の映画館へと誘われ、そこであるショートムービーを見ることから本展は始まる。

 映画を観た後に出会うのは、そこが美術館であることを忘れさせる7つの映画セット(ステージ)。精緻につくりこまれたそれぞれのセットでは映画の一場面となる演技が繰り広げられる。このセットを順に追うことで、鑑賞者は「彼女」の存在にじょじょに近づいていくという仕掛けだ。

「彼女と。」展示風景 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon
「彼女と。」展示風景 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon

 この映画セットに加え、「舞台裏」も本展の大きな見どころのひとつ。セットとセットの間には、照明やモニターなどの機材と並んで小道具や家具、衣装などが置かれているが、これらはすべてエルメスのもの。一つひとつのプロダトが舞台裏さえも贅沢な空間に変容させている。

 まるで映画づくりにエキストラで参加しているような鑑賞体験ができる「彼女と。」。エルメスが提示する魅惑の映画世界をぜひ楽しんでほしい。

 なお、本展の入場は予約制。興味のある人は早めのチェックをお勧めする。

編集部

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