群馬・桐生市の大川美術館が所蔵する20世紀アートのコレクションを展示する展覧会「大川美術館コレクションによる20世紀アートセレクション―ピカソ、ベン・シャーンからポップ・アートまで」が、栃木・宇都宮の宇都宮美術館で開催される。会期は6月9日~8月18日。
モーリス・ユトリロ、パブロ・ピカソ、ベン・シャーン、アンディ・ウォーホルらの逸品を厳選して展示することで、20世紀美術の多様な様相を紹介する。
20世紀は二度の世界大戦や経済成長を背景に、人々の生活や価値観が大きく揺り動かされた激動の時代だった。美術においても芸術家たちは従来の価値観に縛られない作品を次々と生み出していった。20世紀初頭にキュビスムが創始され、第一次世界大戦後のパリには多くの芸術家が集い、エコール・ド・パリ、シュルレアリスムといった新しい潮流が誕生。第二次世界大戦後には戦後復興と経済的な繁栄を背景に、芸術の中心地がアメリカへと移った。社会情勢を見つめたアメリカン・シーンの芸術家や、アメリカで学んだ日本人の芸術家、日用品を主題としたポップ・アートの芸術家などが多彩な作品を制作した。
大川美術館の初代館長である大川栄二は、自らを「サラリーマン・コレクター」と称し、週刊誌の表紙絵を蒐集することから芸術の虜になった。以降、約40年にわたり国内外の美術品を蒐集し大川美術館の礎となるコレクションを形成。20世紀アートの名品の数々を楽しむとともに、個人コレクションの文化における可能性も感じることができる展覧会となるはずだ。