気鋭の書家によるアートと書の強烈な交差。 ハシグチリンタロウ×山本尚志「GRAM FORCE」がYUKIKOMIZUTANIで開催

東京・天王洲のYUKIKOMIZUTANIで、現代アートの領域で活躍する書家のハシグチリンタロウと山本尚志による展覧会「GRAM FORCE」が開催される。会期は7月14日〜8月12日。

ハシグチリンタロウ nebula 「たまSEEネイション」産声 ©Lintalow Hashiguchi, Courtesy of Gallery NAO MASAKI

 東京・天王洲のYUKIKOMIZUTANIで、気鋭の書家であるハシグチリンタロウと山本尚志による展覧会「GRAM FORCE」が開催される。会期は7月14日から8月12日まで。

山本尚志 マシーン ©Hisashi Yamamoto, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 ハシグチリンタロウは1985年長崎県生まれ。戦後の様々な前衛芸術運動、とくに書家・井上有一の「書は万人の芸術」という考えに触発され、「日常を生きる為のエネルギー」としての書を展開。筆の代わりにタオルを使って豪快に書き上げる制作スタイルは、10代の頃から愛する「PUNK」の精神に貫かれているという。

 山本尚志は1969年広島県生まれ。19歳で井上有一の作品と出会い、書の道へ進む。その制作においては、「得体の知れない図形にその名前を書くことで、それがそのものになる」という書に内在する命名の力に着目。2017年からは現代アートとしての書を目指す運動「ART SHODO」を立ち上げ、書の潜在的な可能性を表出させようと試みてきた。

山本尚志 うごく木 ©Hisashi Yamamoto, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 本展のタイトルには、「わずかな重さ」を意味する言葉から派生した質量の単位「gram(グラム)」が取り入れられている。これに「力」と訳される単語「force」を組みあわせた「GRAM FORCE」は、紙の上のわずかな重みの線が「書」として昇華され、強大な力をもって立ち現れるという展示イメージが込められているという。

 パンクロックを聞きながら自身が日々綴った言葉の断片を膨らませるハシグチ、命名の力を持つ書を現代アートに拡張する山本。現在を生きる二人の書家が生み出す新たな書の数々は、鑑賞者に鮮烈な印象を与えるだろう。

 なお、7月15日の13時からは参加作家2名によるトークイベントも開催される。こちらも合わせてチェックしたい。

ハシグチリンタロウ SO MANY LIFE,SO MANY DEATH ©Lintalow Hashiguchi, Courtesy of Gallery NAO MASAKI

Exhibition Ranking