株式会社Artfieldが、アートオークションでは日本初となるダッチオークション「Artfield Artists(アートフィールド アーティスト)」をローンチする。初回は、10月21日に東京・青山グランドホテル グランドホールで開催される。
ダッチオークション(Dutch Auction)は、「オランダ競売法」とも呼ばれる競り下げ型のオークション。入札する買い手側が価格をつり上げながら、最終的にもっとも高い価格を提示した買い手に落札される方式である通常の「イングリッシュオークション」とは反対に、売り手が設定した最高値から順に値を下げていき、最初に買い手がついた値段で売買が成立する仕組みとなっている。ひとりの買い手がいれば売買が成立し、買い手の価値判断が価格に反映される特徴がある。
「“Where Value Grows”-価値が育つ場所-」をビジョンに掲げる「Artfield Artists」は、新しいオークション体験を通じ、アーティストやクリエイターに寄り添い、価値の維持向上ができるプラットフォームづくりを試みる。今後はアートに限らず、ファッション、デザインなどあらゆるジャンルで採用可能な新しい販売形態のオークションを目指すという。
もともとオランダの生花市場で採用され、取引のスピードが高速化できることが特徴であるダッチオークション。この新しいオークションでは、作品価格の暴騰・暴落を防ぐことや、制作者に適正な価値をつけること、極端に高いまたは不当に安い価格が記録として残らないことなどが期待されている。
初回の「Artfield Artists」には、岡崎実央や上野裕二郎、福井江太郎、中島健太、金丸悠児、町田結香、山本雄教などの作品が出品。作品が落札された制作者には、落札手数料の一部が「アーティストリセールフィー」として還元されるという。また、サテライトイベントとしてはイングリッシュ形式による「SENSE MAGAZINE KAWS Collection Sale」も行われる。
今後は、抽選販売や先着順販売などの販売方式のひとつとして、ダッチオークションによる販売の一般化を目指し、2023年にはこのオークションの仕組みをレンタルするサービス「Rental Auction(レンタルオークション)」も開始する予定。この新しい販売形態のオークションは国内のアートマーケットにどのようなインパクトをもたらすのか、注視したい。