フランスを活動拠点とし、芸術性の高いアクロバットで世界中の注目を集める現代サーカス集団・カンパニーXYと、コンテンポラリー・ダンス界の最前線で活躍する振付家ラシッド・ウランダン。その初タッグ作品『Möbius /メビウス』 が東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターを皮切りに、愛知県芸術劇場、ロームシアター京都で公演される。2017年に世田谷パブリックシアターで上演した『夜はこれから』以来5年ぶりの来日公演だ。東京公演は10月21日〜23日、愛知公演は10月27日〜28日、京都公演は11月2日〜3日。
カンパニーXYは、「早く行きたいなら一人で。遠くにいきたいなら皆で」を合言葉に、「集団で行うアクロバット」にこだわった作品を生み出してきた。現代サーカスは「アートとスポーツの間」と呼ばれ、スポーツを越える身体能力の高さと高度なアクロバット技術、チームワークによって、身体のみで美しい情景を作り出すことで、世界中の注目を浴びている。
今回上演される代表作『Möbius /メビウス』は、人の身体が生み出す造形の美しさ、身体表現の限りない可能性と豊かさを存分に味わうことができる作品。2021年にフランス国立シャイヨー劇場のディレクターにも就任した振付家、ラシッド・ウランダンと、カンパニーXYが初タッグを組んだ作品としても話題となった。
舞台美術が一切ない舞台上で、19名のアーティストが空を舞うムクドリの群れのように、抜群のチームワークで連なり、飛び、空中で身体をひるがえしながら、滑らかに美しい光景を描きだす。お互いを信頼し、身体を預け、飛び込み、完璧にシンクロナイズするその姿は、コロナ禍によるディスタンスが当たり前となったいまの時代に、人と人が手をつなぎともに生きる素晴らしさを思い出させてくれるものであり、いわば人生賛歌とも言える。
ウランダンは、今回の公演に際し以下のようにコメントしている。「XYとの共同作業は、そのダイナミクスな振付と重力に逆らう彼らのスキルから見られるように、驚くべき探求の旅であったことが証明されています。グループが達成しためまいがするほどの高さは、振付の境界線を押し広げ、空を飛ぶムクドリの群れと同じくらい謎めいた作品を生み出したのです。ムクドリの驚くべき空中での動きはとても調和しているように見えますが、その機能はまだ解明されていません。私たちのコラボレーションの核心は、永遠に変化し続ける『空中バレエ』の神秘にあるのです」。