2009年にスタートし、今年の第25回をもって終了するコンペティション「1_WALL」。最終回となる第25回写真「1_WALL」展が、8月23日〜9月17日の会期で銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。
本展は、ポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話をする二次審査を通過したファイナリスト5名が、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展。会期中の8月31日に行われる最終審査会では、ファイナリストによるプレゼンテーションの後、審査員による議論を経てグランプリが決定。グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利と、個展制作費30万円が贈られる。
今回の審査員を務めるのは、小原真史(キュレーター)、須山悠里(デザイナー)、高橋朗(PGIギャラリーディレクター)、津田直(写真家)、野口里佳(写真家)。ファイナリストに選出された5名の経歴と作品を以下より紹介したい。
阿部修一郎
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1996年生まれ。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。建て替え予定の実家を舞台に撮影された《Hear the Place Sings》は、やがて訪れる空間の喪失と、それに伴う忘却への抗いを示す。
岡崎ひなた
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2002年生まれ。日本写真映像専門学校写真コミュニケーション学科写真表現コース在籍。生まれ育った和歌山の村の文化や姿と向き合い撮影した《水面にカゲロウ》では、日本人のなかにある忘れてはいけないものを見直し、社会のあるべき姿を問いかける。
荻野良樹
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1987年生まれ。《黄色い砂を探して》では、山神が祀られている地域で聞き取りと撮影を行い、自身が暮らす三重の山神信仰と風景の関係性を探る。
昝家祺
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1995年生まれ。東京造形大学大学院デザイン研究領域在籍。地元中国北西部の急速な経済発展により形成された、新しい都市と砂漠の矛盾を孕んだ現代社会の景観をとらえた《Desert City》を発表する。
本吉映理
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1986年生まれ。日本体育大学卒業。社会との感覚の揺らぎに着目し、何気ない日常の細部に現れる自己の一面をポートレートで記録した《is becoming》を展示する。
なお「1_WALL」は今後、これまでのフラットでオープンな審査・講評と、個展開催機会の提供という取り組みを引き続き行い、より幅広い表現に対して支援するコンペティションへの進化を予定している。新たなコンペティションに生まれ変わるまで、写真部門の最後を飾る本展をぜひ会場でチェックしてほしい。