東アジアで人気を獲得している⽇本のアーティストたちを「⼆次元派」と名づけ、日本の美術の現在地とアジアの若者に共通する感性や時代感覚を読み解く展覧会「⼆次元派展」が、代官山(8⽉24⽇〜8⽉28⽇)と目黒(8⽉24⽇〜10⽉1⽇)で開催される。
2020年ごろから、中国を中⼼とする東アジアのアートマーケットでは「⼆次元(⼆维)」という⾔葉が喧伝されるようになった。この「⼆次元」が意味するのは、⽇本のゲームやアイドル⽂化、「可愛い」という価値観、若者のカルチャーやファッションなど、広い意味での 「⽇本らしさ」の総称だという。
ここ数年はアジアの若⼿コレクターたちを中⼼に、SNSのネットワークを通じて、こうした⼆次元的な世界観をもつ⽇本のアーティストの作品が⼈気を獲得。⼤きなムーブメントを形成するようにった。しかし、こうしたアーティストの⽇本における認知は、いまだ体系的に論じる⼟俵が確⽴されていないのが現状だという。
本展のキュレーションを務めるのは、現代美術史を研究してきた沓名美和。多摩美術⼤学、韓国弘益⼤学⼤学院を卒業し、中国清華⼤学にて博⼠号を取得。現在は清華⼤学⽇本研究所にて東アジア⽂化芸術の専⾨家として外交⾏事にも携わっており、2020年からは⽇本の現代美術を中国に紹介するSNS番組「⽇本芸術情報網JAI」の代表理事とモデレーターを兼務。また、中国魯迅美術学院でも講義を⾏っている。
約20年にわたり東アジアの現代美術を⾒続け、現代美術史を研究してきた沓名は、奈良美智や村上隆にはじまる今⽇の⽇本現代美術の変遷を検証し、本展を通して、現在のポップカルチャーに根差した新しい表現者と彼らを取り巻く⽂化や現象に焦点をあてる。
出展作家は天野タケル、大澤巴瑠、奥田雄太、小田望楓、カネコタカナオ、金澤シュウ、木原健志郎、木原幸志郎、きゃらあい、さめほし、サワダモコ、杉田万智、suma、中居ベル、西村昂祐、野澤梓、橋本ユタカ、BYNAM、東麻奈美、宏美、フカミエリ、Hogalee、まつもとこうじろう、森洋史、山口真人、山口歴、山口つばさ、Rooo Lou、渡邊涼太。約30名のアーティストの100点を超える作品によって「二次元派」の潮流を展観する。