美術の世界に新しい風を吹かせたいという思いから設立され、「横7メートル(縦2.6メートル)までの平面作品で、技法素材を問わず、45歳以下(国籍不問)」という独自の募集要項を設ける「Artist Group-風-大作公募展大作公募展」。この公募展の10回目が、2021年10月23日より東京都美術館で開催される。
本展を主催する公募団体「Artist Group-風-大作公募展」は、日本画を代表する3人の作家、中島千波、中野嘉之、畠中光享によって2011年に設立された。若手作家が大作の発表に挑戦できるのが特徴だ。
第1回展より入賞の副賞として、高島屋美術部の協力のもと、入賞作家とメンバー3人による小品展が、日本橋、京都、大阪を巡回して開催されている。これは、画廊での小品展の開催が、入賞者のその後の発展のためになるという考えからだ。実際に小品展をきっかけに個展開催につながった作家もおり、さらなる飛躍のきっかけにもなっている。
今回は招待審査員に平塚市美術館特別館長の草薙奈津子を迎え、コロナ禍での感染防止に配慮しつつ厳正な審査を実施。結果、第10回入賞者として、彩蘭弥、飯塚瑛理、金木正子、神戸勝史、木下めいこ、小柳景義、佐々木真士、杉澤友佳、平良優季、武井地子、手塚葉子、永井夏夕、中野浩樹、野地美樹子、矢吹沙織の15名が選ばれた。
また昨年より、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の協賛により「あいおいニッセイ同和損保奨励賞」が設けられ、あいおいニッセイ同和損保広報部と野地耕一郎氏(泉屋博古館分館長)による選定により、第10回展入賞者の中から小柳景義が選ばれた。なお、昨年奨励賞に選ばれた飯田文香の個展は、日本橋のUNPEL GALLERYにて10月10〜31日まで開催されている。
10年間を目標に開催してきた「Artist Group-風-大作公募展」だが、今回の第10回展をもって終了することとなった。この10年間で入賞作家達が各々活躍し、自らグループを立ち上げるなど、既存の公募展にはない発展を見せ、今後の受賞作家の活動も注目される本展。その集大成となる最後の展示に、足を運んでみてはいかがだろうか。
また、感染防止対策をしつつ、10月23日と24日の14時30分〜15時30分と、10月30日13時〜14時には「出品作家によるギャラリートーク」も開催される予定となっている。