新たな「工芸人」、来たれ。国際公募展「国際工芸アワードとやま」が募集開始

富山県が、50歳以下の国内外の工芸に携わる作家、職人、デザイナーなどの若き「工芸人」を対象としたアワード「国際工芸アワードとやま」の募集を開始した。最優秀賞1名(組)には200万円が贈られる。

 

ワールド工芸100選の展示風景

 工芸が盛んなことで知られる富山県が、新たな国際公募展「国際工芸アワードとやま」をスタートさせた。

 「国際工芸アワードとやま」は、50歳以下の国内外の工芸に携わる作家、職人、デザイナーなどの若き「工芸人」を対象とした公募展。世界各地の工芸の伝統的な技術や素材を活かした表現力・独創力に富む作品、制作工程のなかで必ず「手仕事」が施されている作品を応募対象としている。

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 本アワードの開催背景にあるのが、2017年度に富山県で開催された「国際北陸工芸 サミット」での「U-50 国際北陸工芸アワード」の成果だ。「U-50 国際北陸工芸アワー ド」では、富山県内外の作家ほか、日本を含めた35の国・地域 から403件の応募があり、ファイナリストとして6名を選出。最優秀賞には富山県立山町の和紙職人・川原隆邦が選ばれた。

「U-50 国際北陸工芸アワー ド」の審査の様子

 これらを踏まえて行われる今回の「国際工芸アワードとやま」は、3年計画のアワード。今年度は1次審査までを行い、来年度は2次審査、展覧会、そして授賞式を実施。2021年度には、前年度の交流プログラムを踏まえ、作品の協同制作プログラムを予定している。

 工芸作品の総合的な評価と、国際的なネットワークやコラボレーションの機会の創出、そして工芸のさらなる周知を目的とする本アワード。選考委員長は、前文化庁長官で多摩美術大学理事長・東京大学名誉教授の青柳正規が務めるほか、1次選考は、川上元美(デザイナー、公益財団法人日本デザイン振興会会長)、須藤玲子(テキスタイルデザイナー、東京造形大学名誉教授)、高橋禎彦(ガラス作家、多摩美術大学教授)、田嶋悦子(陶芸家、大阪芸術大学教授)、田中信行(漆芸家、金沢美術工芸大学教授)、畠山耕治(金属作家、金沢美術工芸大学教授)が担当。

 2次選考は、須藤、畠山に加え、雪山行二(富山県美術館館長)、王超鷹(文化研究者、伝統工芸士、PAOSNET代表)、ニコル・クーリッジ・ルマニエール(大英博物館日本部門学芸員)、マリオ・トリマルキ(建築家・デザイナー)が行う。

 賞金は最優秀賞1名(組)が200万円、優秀賞1名(組)が50万円など。工芸の国から工芸の新たなつくり手に光を当てるこのアワードに、ふるって応募してほしい。

編集部

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