ともに伝統文化を尊重する日本とフランス。手仕事の伝統を継承すると同時に、新たな領域に挑戦する有田町を含む佐賀県の若手作家とフランス人間国宝がコラボレーションする芸術祭「有田とフランス人間国宝 『ワザノワ会議』」 が11月、佐賀県の有田町で初開催される。
トーク、展示、ワークショップからなるこのイベント。11月18日から25日の7日間にわたって行われる展示には、シルヴァン・ル・グエン(扇)、ジャン・ジレル(陶器)、ロラン・ダラスプ(金銀細工)、ミシェル・ウルトー(傘)、フランソワ=グザヴィエ・リシャール(壁紙)、ロラン・ノグ(エンボス加工)、ナタナエル・ル・ベール(真鍮細工)、セルジュ・アモルソ(革細工)、エルベ・オブリジ(石材彫刻)、井上萬二、十四代今泉今右衛門、十五代酒井田柿右衛門、十四代中里太郎右衛門、百田暁生、庄村久喜、中村清吾、矢野直人、畑石修嗣が参加。 桂雲寺という由緒ある場所で手仕事の芸術性を感じることができる。
11月18日には、扇作家のシルヴァン・ル・グエン、陶芸作家の庄村久喜、伊万里焼窯元の畑石修嗣、佐賀県立九州陶磁文化館館長の鈴田由紀夫によるトークイベント「手仕事の未来」を実施。フランスの人間国宝は有田のものづくりの現場を見て何を感じるのか。桂雲寺を舞台に、日仏の作家が手仕事について語り合う。
同じく11月18日に開催されるワークショップは、パリ在住の建築家・空間デザイナーのリナ・ゴットメを迎えた「有田の町屋を使った空間演出」とシルヴァン・ル・グエンによる「折り紙を使ったポップアップ扇子作り体験」の2種類。子供から大人まで、幅広い世代の学びとなる。
伝統文化の継承、国境を越えた技術交流が行われるこの機会は、両国の文化と技術を支えてきた情熱に出会うチャンスだろう。