ギャラリーブース内でテーマ性の高い展示を行う「キャビネット」には35プロジェクトが集結し、そのうち23件がアジア太平洋地域の歴史的・同時代的実践に焦点を当てる。加えて、デジタル時代の芸術に特化したアート・バーゼルのグローバル・プロジェクト「Zero 10」が、昨年末のマイアミ・ビーチでの初披露に続き、アジアで初めて香港に登場。デジタル・アートの展示、文脈化、コレクションのあり方を再考する試みとして位置づけられる。

Courtesy of √K Contemporary
公共プログラムも拡充され、上映、トークなどが引き続き無料で一般公開される。映画プログラムは、香港のメディア・アートを牽引してきたアーティストのエレン・パウが初めてキュレーションを担当し、「In Between Magic and Reality」をテーマに、想像力を抵抗や記憶、生存の戦略として捉える映像作品を紹介する。トーク・プログラム「カンバセーションズ」は4日間に拡大され、視覚芸術と社会、テクノロジーの交差点を多角的に議論する場となる。
このほか、3年連続となる香港の文化複合施設・大館(タイクン)との協働による「Artists’ Night」や、香港バレエとのコラボレーションによるダンス・プログラム「State of Wonder」、さらにアジアの美術館との関係強化を目的とした新イニシアチブ「Friends of Art Basel Hong Kong」の始動など、フェアの射程は展示空間を超えて広がる。

拡張するセクター構成と都市規模の連携を通じ、2026年のアート・バーゼル香港は、香港を起点にアジア太平洋の芸術実践を世界へと接続する場として、その存在感を改めて示そうとしている。
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